shaking of the creation

shinsei@wp

shaking of the creation/震生
2008
scratch/hatching
acrylic gouache on canvas
91x117cm

private collection

「震生」は、神奈川県の秦野市と中井町にまたがる震生湖から触発されて描いたものです。
この湖は、1923年9月1日に関東大震災の際にできました。

「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉を残した(とされる)物理学者寺田寅彦の随筆にも書かれていまして、当地には、寅彦が詠んだ「山さけて成しける池や水すまし」の句碑が建っています。

人は賢くなりますと、つい人間が自然を支配しているものと考えがちですが、自然は、人智をはるかに超えた力を持っています。

自然は一瞬の力で、土地を海に飲み込みますが、山や湖すらつくるのです。

破壊と創造の区別などありません。

画家もまた、破壊と創造を常に自分の内に持って制作していなくてはなりません。

一つの絵画を生むために、震えるような強い思いが必要なのです。そういう作品でした。

(2011年当時のブログの文章より)

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