今月の制作について
今月のある早朝、久しぶりに近くの長倉神社へ足を運んでみました。
実は、軽井沢に移住する前、長野市に住んでいた頃は、近くの宇達神社によくお参りに行っていました。そのため、こちらに引っ越してきて最初に長倉神社に参拝したときは、正直なところ、あまり良い印象を持てなかったのです。「何だか違う神様だな」という感覚があり、しばらく足が遠のいてしまっていました。
神社の境内の様子も、長野市と軽井沢とではずいぶんと違います。長野市のこの時期はカラッと乾燥していて、風もなくカンカン照りの暑さですが、ここ軽井沢の長倉神社は、まず湯川の橋を渡って境内に入るため、湿気が多く、深い森の中に包まれていてどこか薄暗いのです。境内には小さな泉や、相撲用の土俵などもあります。神様を比較してしまうのはおかしなことかもしれませんが(苦笑)、それほど環境が対照的でした。
しかし、雨上がりのその日に久しぶりに訪ねた境内には、ほのかな森の良い香りがあたり一面に広がっていました。なんとも身体の奥深くまで染み渡るような心地よい香りです。 枝葉の隙間から空を見上げると、光が粒のように揺らぎ、何か美しいものが降りてくるような、そんな静かな気配に満ちていました。
そんな雨上がりの神社での体験から、私の心境にはある大きな変化が訪れました。30年間という歳月、ただひたむきに画面に向かい続けてきた私ですが、いま、かつてないほど穏やかで、同時に新しい表現への野心に満ちた、特別な季節を迎えています。
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