美術館の地下で、展示準備の作業をして来ました。
スクラッチの初期作品のメンテナンスです。
1998年当時の作品は、キャンバスではなくて、
チップ圧縮ボードのパネルを特注して使っていました。
テンペラ技法のための基底材を作っている製造元に頼んでいました。
私の場合は、アクリル絵の具を使っていたので、
アクリルが乾燥する際に強い収縮が起きたようです。
制作から約20年が経って、表面と裏面のバランスが悪くなって、
画面が微妙に反っていたのです。
この反りを裏面のニス引きとL字アルミアングルの枠付けで、
補正することにしました。
水性のアクリル絵の具用のグロスメディウムを使用しました。
絵の具と同じ溶剤なので、収縮の力が同じになるのではと判断しました。
本来圧縮ボードもアクリル絵の具も柔軟性があるので、
見る見る内に元のように平らになってくれました。
だめ押しに、アルミアングルも取り付けました。
アルミアングルは、いろいろな厚み、サイズが揃っていて、
ネットからも簡単に注文出来ます。
但し、難しい加工はしてくれないので、今回斜めカットは、
アルミ専用のノコギリでカットし、ネジ穴も自分で加工しました。
アルミはとても柔らかく加工しやすいのですが、
細かいクズがチクチクと手に食い込んで、
それなりに難しい作業でもありますが、
意外に、こういう作業も好きです。
職人気質があるかもしれませんね。
作業が終わってから、美術館の外の海の景色を眺めて、まったりしていました。
久しぶりの海は、曇天の下で遠くの船も靄に包まれて、
柔らかい景色を見せてくれました。
ガラス張りの美術館は、今の自分が見たい世界を象徴しているかのようでした。
明日は展示作業です。
追伸
ご寄付のお礼とご報告
7月3日付けで、2名様からご寄付3万5千円を送って頂きました。
世田谷区のM様、文京区のT様、いつもご支援ありがとうございます。
お陰様で、美術館展示準備作業のために、一泊二日の日程で
横須賀に来ることが出来ました。
ご寄付は、往復交通費と宿泊代、滞在中の食事代などに使い、
残金を追加のDM送料代金に当てるなど、大切に使わせて頂きます。
助けて下さって、本当にありがとうございました。
皆様のご支援によって、川田作品が存続可能となります。
美術作品にご理解いただける方々のお力添えが寄り集まって、
やがては、強固な礎となり、
この時代の文化を支える力の輪が広がることでしょう。
是非お力をください。引き続きよろしくお願い致します。